シンポジウム宣伝

以下のシンポジウムで発表しまーす。

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10回日本分類学会連合公開シンポジウム プログラム

会場 国立科学博物館新宿分館 研修研究館講堂

共催 (独)国立科学博物館

日程 平成23年1月8-9日

1月8日 13:30-17:30 シンポジウム1「日本の分類学の現状と展望」

日本分類学会連合は、分類群間の垣根を越え,大規模な生物多様性研究を可能にして社会的要請に応え、さらに分類学の発展と普及を目指す全生物群を網羅する分類学者の組織として2002年に設立された。設立記念シンポジウムでは、関連分野の方々による日本分類学会連合への期待を込めた講演とともに、「これからの分類学」という題名で分類学をどのように発展させていくかについて議論を行った。本年で日本分類学会連合シンポジウムは第10回を数えることになった。また、地球環境問題における生物多様性の重要性の認識の拡大や、生物の根本的な情報であるゲノム情報にアクセス可能になるなど、この10年間で分類学を取り巻く環境も大きく変化を遂げている。そこで、この機会に連合設立時に議論した「未来の分類学」についてどのようなことが実現されてきたのかを検証し、またこの先に分類学はどこに向かうのかについて再び議論をする場を設けたいと思い、「日本の分類学の現状と展望」という題でのシンポジウムを企画した次第である。本シンポジウムでは多様な分類群を代表する5名の演者にお願いし、扱っている生物群の分類学の現状と展望について話題を提供していただく予定である。(過去9回のシンポジウムの内容については、連合ホームページ内のhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/ujssb/sympo/index.htmlをご参照ください)

中山 剛(筑波大学)「原生生物分類学の現状と展望」

細矢 剛(国立科学博物館)「日本の菌類分類学の歴史・現状・展望」

加藤雅啓(国立科学博物館)「植物分類学に対する期待」

矢部 衞(北海道大学)「日本の魚類分類学:現状と展望」

戸田正憲(北海道大学)「ゲノムベースの分子系統学に向けたささやかな試みと系統と分類体系の問題:ショウジョウバエ科の場合」

1月9日 10:00-15:00 シンポジウム2「遺伝子で記述する生活史形質の多様性

分類学は生物学の中でも最も多様な生物種を取り扱う分野であり、地球上に存在するあらゆる生物の形質を記述してきた。対照的に、分子遺伝学では極めて限られた生物種(モデル生物種)について形質を掘り下げ、原因遺伝子に還元することでその成り立ちを解明してきた。しかし近年のいわゆる第二世代DNAシーケンサーの開発と普及をはじめとする技術革新は、従来対極にあると考えられてきたこれらの分野の垣根を取り払いつつある。これはすなわち、あらゆる生物種の形質の成り立ちを分子レベルで理解し、その機能や起源、はたまた応用について考える土壌が整いつつあることを意味する。本シンポジウムではこのような分子遺伝学と分類学の両者の視点でなされている分野横断型の研究について紹介し、これからの分類学が生物学全体にどのように貢献できるかについて議論を深める。

吉田健太郎(岩手生物工学研究センター)「ゲノム情報から生物間相互作用に関与する遺伝子に迫る―植物・微生物間相互作用を例に―」

森長真一(東京大学)「植物の分布と適応:ゲノムが語る低地と高地の形質分化」

奥山雄大(国立科学博物館)「多様な生活史形質を決定する遺伝子の探索:非モデル生物で行う多種間比較オミクス」

大島一正(基礎生物学研究所)「絵かき虫の遺伝学:餌とする植物はどのように決まっているか」

細川貴弘(産業技術総合研究所)「共生微生物が引き起こす昆虫類の多様化:その分子機構にせまる」