今日はゆっくりめで6時起き。身支度と荷物のまとめをして7時半に宿を出発。
まず今日もコンビニで朝飯。ついでに今日採集するサンプルを冷やすための氷を購入。
宅急便の営業所に行って不要な荷物を発送。
車を海岸線沿いに走らせて採集場所まで。海水浴客に加えて、ちょうど出勤時間ということもあって車がえらい混んどった。
8時半すぎに採集場所のそばにある某景勝地の駐車場に到着。海を眺めて10分ほど待っとると、採集に協力していただく方々も続々と到着。
今日のターゲットはユビナガコウモリの体表に寄生するクモバエ類。コウモリ関係の方たちの調査に便乗させてもらって採集しようという企てである。
全員集合したところで移動。5分ほど歩いて最後に5メートルほどの岩壁(写真の左側)を下って洞窟の入り口まで。
まずコウモリ関係の方達が周辺にある小さい洞窟(というか岩のくぼみ?)からコウモリを追いやり、写真の真ん中の大きな洞窟に集めていく。
洞窟の入り口のところで見とると次々にコウモリが飛んで来る。これだけでも数百匹はいたか。
まるでアニメか映画にでも出てきそうな光景で、すげー、とつぶやいとると、中はもっとすごいよ、と皆なぜかうれしそうな笑顔で言う。
集め終わったところでコウモリの捕獲開始。最初の捕獲だけ洞窟の中で見学させてもらう。
入り口からほんの5メートルほど進むともう天井は写真のごとく一面コウモリ。下はウンチだらけで猛烈な刺激臭。目がしばしばしてくるし、深く息を吸うとむせる。まだ奥があるとのことやったがこれ以上進む気になれんかった。
で、捕獲開始。天井に張り付いとるコウモリを網(ムシ採り網のごついやつ)でごそっと捕る。すると周辺のコウモリ達も大パニックになって飛び回り、洞窟内に立っとると四方八方からコウモリがぶち当たってきたり服に掴まってきたりでもうめちゃくちゃ。しかもこの状態になるとコウモリのウンチやらクモバエやらダニやらが上からぱらぱら落ちてくる、という話を事前に聞いとったんで、最後は逃げるようにして出てきてしまった。
で、コウモリ関係の方たちは捕えたコウモリの翼に標識をつけていくのだが、クモバエのついたコウモリはこちらにまわしてもらう。
ユビナガコウモリは見た目はかわいいがけっこう凶暴で手で持つとがぶがぶと噛み付いてくる(まあたいして痛くはないんやけど)。
クモバエ類はコウモリの毛の隙間に潜り込むんでいるのだが今回採集するケブカクモバエは大型のものなので毛をかき分けなくてもすぐに見つかる。ちなみにクモバエ類は間違いなくハエの仲間なのだが翅はまったく退化しとって飛ばない。
ピンセットでクモバエの脚をつまんで引っぱり出すのだが、つまみ損ねるとクモバエがパニック状態になって毛から完全に出てきて動き出す。こうなるともう大変。まったく想像しとらんかったのだがこいつら歩くのめちゃくちゃ速い。動いとるのをピンセットでつまみとるのは難しいんで落ち着いてくれるのを待つのだが、当然コウモリの方ももがくんでなかなかうまくいかない。
ミスしまくっとるとしまいにはクモバエがコウモリからこちらの手に移ってきて腕を登ってきたりするんで、そうなるともうこっちもパニックになってしまい慌てまくる。
しかしこいつらはClカメムシと違って人間の血にはまったく興味がないようだ。吸おうともしない。それがわかってからはちょっと落ち着いて採れるようになった(それでも知らぬ間に首のあたりまで登ってきとった時はあわてて叩き落としてしまったが)。
という状態やったんでじっくりと写真を撮る余裕がなかったのだが、上の写真は頭にクモバエのついたユビナガコウモリ。下の写真はオレの手の上を走り回るケブカクモバエ。
3時間ほどやって100匹ほどのクモバエを採集(コウモリは900頭くらいの幼獣に標識をつけたらしい)。
一部は生きたまま氷で冷やしてしまい、一部はアセトンに浸けておく。
全員汗だくで終了。
いやあ、貴重な体験やった。コウモリな方々に感謝。
今回採ったケブカクモバエはかなり大型のものなのだが、ユビナガコウモリの体表には体長1ミリほどの別種のクモバエもいるし、同じように小さいダニも多数ついとる。調査後に片付けしながらふと自分の腕を見たらそんなやつらがてれてれと歩いとって、これはあまり気分のいいもんではない。一度見てしまうとあちこち痒く感じてくるし。この感じは人によっては耐えられんやろう。
さすがにコウモリ関係の人たちもあまり気持ちのいいもんではないようで、調査後すぐにそばにある温泉へと皆で向かう(ええ具合にここは温泉地である)。
汗とダニとクモバエを洗い流してすべて終了。
皆さんはその後昼食、とのことやったがレンタカーを返す時間がせまっとったんでここでお別れ。
コンビニで氷を買い足し、ガソリンを入れてレンタカーを返却。空港へ向かう。
空港で荷物を手荷物と預け荷物にわけたあと、遅めの昼飯。
15時半すぎの飛行機で羽田へ。
今日も羽田からつくばまではバスで移動し研究室に着いたのは20時前。
クモバエのサンプルをボスFとKGさんに託しておき、Clカメムシの生存率チェックと抗生物質処理。合間の時間で他のカメムシの世話も。
22時過ぎに終わって、もう眠いし、だるいし、体のあちこちが痒い気がするし、ということで退室させてもらう。
どっぷり疲れて帰宅。
寝る前にメールチェックしたらめんどくさそうな査読依頼きとる。どうしますかなあ。
水泳の北島くんは絶対に新しい言葉を考えとると思っとったのに前回と同じやった。つまらん。
まあ芸人ではないんで別にええんやけど。十分すごいし。